燃料タンクの目詰まりの原因となるスラッジの除去方法

燃料タンクの目詰まりの原因となるスラッジの除去方法

非常用発電機など、重油を燃料とする機械の燃料タンクは、長期間使用している間にスラッジと呼ばれる異物が発生し、目詰まりを起こして、いざというときに機械が正常に作動しなくなる恐れがあります。このようなトラブルの原因となるスラッジについて、その発生原因と除去方法について説明します。

重油タンクの目詰まりの原因となるスラッジとは

重油の貯蔵タンク内部には、時間の経過とともに、さまざまな異物が発生し、タンクの底部に堆積していきます。この堆積した固形や半固形の異物をスラッジと言います。

スラッジは、重油から分離した炭素状物質に、錆や水分が固着してタンク底部に堆積したものです。スラッジは重油に含まれるアスファルテンなどが温度変化、空気中の酸素や水分との結合、軽質の異なる重油の混合などによって分離したアスファルテンスラッジ、重油に含まれるワックス分が温度変化によって分離したワックススラッジなどから成り立っています。

頻繁にタンク内の燃料が入れ替われば、異物の発生が抑えられるとともに、発生した異物も攪拌されるため、スラッジが発生し難い状態を維持できます。しかし、長期間燃料の入れ替えが行われないと、スラッジが発生しやすくなってしまいます。 スラッジが堆積した状態で重油が攪拌されると、設備や環境へ影響が懸念されます。

重油タンクにスラッジが溜まることによる影響

重油タンクにスラッジが溜まると、以下のような影響が出てしまいます。

フィルターの目詰まり

燃料内の不純物がエンジンに入るのを防ぐために、エンジン等の機械にはフィルターが設置されています。勢いよく給油した際や、地震の揺れによってタンク内に溜まったスラッジが攪拌されると、フィルターに大量の不純物が集まることで目詰まりを起こし、エンジンが正常に作動しなくなってしまいます。

環境への悪影響(タンクから重油が漏れ出し土壌や河川を汚染する可能性)

タンクに堆積したスラッジを放置すると、タンクの腐食が進み、タンクの寿命を縮めることに加え、タンクに穴が開いてそこから燃料が漏れだす危険性があります。

燃料漏れは土壌や地下水を汚染し、最終的には河川の汚染につながって、環境への深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。こうなると、原状回復は非常に困難です。

重油タンクのスラッジ対策

重油タンクのスラッジ対策として、タンクの定期的な点検と清掃を行い、スラッジの発生の予防と除去が必要になります。タンクに付着したスラッジを除去するには以下の方法があり、いくつかの方法を組み合わせて行うこともあります。

高圧洗浄

高圧洗浄機を使って、水を高圧で噴射して、タンク内に付着した不純物などを洗い流す方法です。温水を使ったり、薬剤を使ったりする高圧洗浄の方法もあります。

化学薬品洗浄

中和剤、または界面活性剤の塗布によってタンク内の付着物を剥離、分解する方法です。最後に水で洗い流し、廃液を吸い取ります。

進入

作業員がタンク内に進入して、ブラッシングなどの人力で洗浄する方法です。

高圧洗浄や化学薬品洗浄を使用した洗浄に加え、それだけでは落としきれない部分も綺麗に拭き上げることで、ほぼ新品のような状態に戻すことができます。

また、タンク内の腐食状況を確認しながら作業ができることも大きなメリットです。

一方で、長期間閉じられたままのタンク内は酸素濃度が低く、非常に危険なため、進入前に空気を送風して酸素濃度を上げるなどの安全対策は欠かせません。

上記のいずれの方法においても、最初に吸引車などを使って、タンク内の残油を全て抜く作業が必要です。

ロカクリーン®

最後にご紹介するのは、三和エナジーが開発した移動式燃料メンテナンス機器「ロカクリーン®」を使って重油をろ過し、スラッジを除去する方法です。

ロカクリーン®は、タンク内の重油の主に底部を吸引し、まずフィルターで粗めのスラッジと水分を除去します。次に遠心分離機で微細なスラッジや水分を除去し、再びタンク内に戻します。

一般的に、進入清掃は非常用発電設備が入っている施設で行いますが、タンクによっては作業員が入れず、清掃作業ができないものもあります。

一方、ロカクリーン®は小型のトラックに搭載されているため、自由に移動させて狭いところでも対応が可能です。

また、進入清掃ができる場合でも、施設は1~3日間使えなくなるので、代用物を用意しなければなりません。そのため、進入清掃はコストが高くなりがちです。

ロカクリーン®による作業では、作業員がタンク内に進入することも、タンク内の燃料を抜くことも必要ないため、工期の短縮や費用の低減につながります。

また、ろ過作業中でも機械を作動できることはロカクリーン®の大きなメリットです。

非常用発電機の燃料タンクのろ過作業をしている間に、地震などの災害による停電が発生しても、すぐに非常用発電機を作動させることができて安心です。

※「ロカクリーン®」は、三和エナジー株式会社が特許を取得しています(特許庁 特許証 第6941249号)

ロカクリーン®」についての詳しい情報はこちら

まとめ

燃料タンクに堆積したスラッジを放置すると、さまざまなリスクが発生します。燃料タンクの目詰まりの原因となるスラッジの除去方法については上記を参考にしてみてください。

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