タワマンの非常用電源は災害時にどのような役割を果たすのか?!

タワーマンション、略してタワマンと呼ばれる超高層集合住宅は2000年ごろから特に多く建築されてきました。眺めが良い、共用施設が充実している、ステータス感があるなどとして、依然として高い人気があります。しかしいったん災害が起こり停電となると、特に高層階では生活に多大な不便が生じる事例も見られます。
災害時の大きな被害を防ぐため、タワマンには非常用電源の設置が義務付けられています。危険物である燃料も扱うため、法令で点検が義務付けられています。
この記事は非常用電源の災害時における役割や、点検・メンテナンスの内容について説明します。
目次
非常用電源とは何か?
非常用電源の概要や役割について、以下の項目ごとに説明します。
非常用電源とは
各地域の電力会社などに電気料金を支払い、電力を供給してもらう電源は、一般的に「商用電源」と呼ばれます。商用電源は、平時には安定した電力がもたらされますが、災害などの有事の際には、電力がストップしてしまうこともあります。そんなときに商用電源に代わって、自家用の設備で電気を供給する設備全般が、非常用電源設備と呼ばれています。
この非常用電源設備という言葉が示す範囲はかなり広く、自家発電設備や蓄電池設備、太陽光発電設備なども含まれます。
非常用電源の役割
非常用電源の役割は、通常使用される商用電源が災害などの理由で停止した際に、代わって電気を供給し、設備やシステムを継続して作動させることです。
たとえば消火栓やスプリンクラー、医療機器、エレベーター、コンピューターや照明などは、短時間でも停止すると大きな二次災害につながりかねません。そのため、商用電源からの電力供給が止まった場合は、即座に非常用電源に切り替わり、必要な設備やシステムが継続できるようにする必要があります。
このように非常用電源は、有事に際して人命や財産、社会活動への影響を極力低減する働きが求められているため、特に多くの人が集まる病院・学校・大規模施設・ホテル・工場・集合住宅などによく備えられています。
タワマンの非常用電源について

どのような建物をタワマンと呼ぶか、実は法令では明確に定められてはいません。しかし、一般的には高さ60m以上のマンションは建築基準法上の超高層建築物に該当するため、こうしたマンションがほぼタワマンと呼ばれていると考えて良いでしょう。階数でいえば、20階建て程度かそれ以上です。タワマンにおける非常用電源の概要や役割を以下に説明します。
タワマンの非常用電源の設備概要
タワマンを含め、一定規模以上のマンションには非常用電源の設置が義務づけられています。非常用電源として用いられるのは、自家発電設備、蓄電池、太陽光発電などがありますが、発電量や供給の安定性などの観点から、現在は自家発電設備がもっともよく使われています。
非常用電源は「いざというときに共用部分に電力を供給する」とされていることが一般的です。個別の全ての住戸にも非常用電源から電力が供給できれば最良ですが、莫大な費用がかかるため現実的ではありません。非常用電源は緊急対応のもので、燃料も限られているため、運転可能時間は数時間程度のところが多くなっています。
災害時におけるタワマンの非常用電源の役割
タワマンの非常用電源は、災害時には消火栓やスプリンクラー等の消火設備、避難のための非常用エレベーター、非常灯などの照明、共用部分のコンセントなどに電気を供給する役割があります。一般的なエレベーターや水道ポンプ、各住戸内への電力供給はしていません。タワマンの非常用電源の役割は、あくまで共用部分の防災が主体であることに注意が必要です。
非常用電源のメンテナンス

タワマンにおける非常用電源としてよく使われる非常用発電設備は、危険物である燃料も扱うため法令でその点検が義務付けられています。また、きちんとした点検やメンテナンスは正常な作動のためにも欠かせません。以下に詳しく説明します。
定期的な点検やメンテナンスの必要性
非常用電源は普段使用しないため、点検を怠ると部品の不具合や故障があってもすぐに気づくことができません。こうした不具合を放置しているといざというときに非常用電源が使えず、タワマンからの避難が遅れる、火災が消火できないなど、大きな被害につながる恐れがあります。
また、非常用電源の燃料タンクをメンテナンスしないでいると、スラッジ(汚泥)や水分が溜まり、燃料が劣化し、やがてタンクの腐食も引き起こします。燃料やタンクの劣化や腐食は、発電機の正常な作動を妨げるほか、燃料が漏洩し周辺環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。
こうした事態を防ぐため、定期点検やメンテナンスは大変重要です。法令で定められた定期点検のほか、こまめな日常点検も習慣づけておくと良いでしょう。
非常用電源の点検・メンテナンス方法
非常用発電機は、消防法、電気事業法、建築基準法の3つの法令に基づいた定期点検が義務付けられており、それぞれについて準備する必要があります。
・消防法に基づく点検
機器点検は6か月に1回の頻度で行い、機械の設置状況や装置の動作確認、機器の損傷や異音の有無、排気の状況などを確認します。
一方、総合点検は1年に1回の頻度で、設備の一部または全てを作動させ、30%以上の実負荷試験を行い、総合的な機能を確認します。
また、6年に1回は必ず負荷試験または内部観察を行います。
・電気事業法に基づく点検
電気事業法では、常用・非常用に関わらず、全ての発電機に点検が義務化されています。非常用発電機を設置した場合は保安規定を届け出て、その保安規定の基準や期間に従い点検を実行することになっており、月次点検と年次点検の2種類があります。
・建築基準法に基づく点検
建築基準法では、建築物の所有者や管理者、占有者は、その建築物の敷地・構造・建築設備を常に適切な状態に保つことを義務付けています。
それに伴い電源設備も検査が必要で、およそ半年~1年の間に1回点検します。
日常的なメンテナンスとしては、外観のチェック(設備や装置に破損や漏れ、汚れなどがないか)、消耗品の補充、燃料などの残量確認、電圧や周波数の値の確認などを行うと良いでしょう。
まとめ
タワマンには非常用電源の設置が義務とされているため、災害時には共有部分への電力供給は可能となっていますが、その内容は建物の規模などによって異なります。個々のタワマンについて、あらかじめ非常用電源の設備がどうなっているかを確認しておくと良いでしょう。その上で、在宅避難を想定した個人や管理組合レベルでの適切な備えも日頃から考えておくと安心です。
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