非常用発電機の消防法による設置基準や取り扱いルールとは?

非常用発電機の消防法による設置基準や取り扱いルールとは?

非常用発電機は、有事の際に人命や財産を守る大変重要な設備である一方、燃料という危険物を貯蔵する場所でもあるため、消防法によってその設置基準などが厳しく定められています。また、設備の管理者は、非常用発電機の取り扱いルールも熟知していなければなりません。ここでは、非常用発電の消防法による設置基準や取り扱いルールについて説明します。

非常用発電機とは

非常用発電機の概要についてまずは説明していきましょう。

非常用発電機の役割

私たちの生活に欠かせない電気は通常電力会社から供給されていますが、一方で電力は自家発電で得ることもできます。その自家発電は、日常に使う電気を生み出す「常用」と、緊急時に使われる「非常用」の2種類に分けられます。

このうち、非常用発電設備とは、電力会社からの電力供給が何らかの事情でストップし、停電状態になったときにのみ、発動する設備のことを指します。

非常用発電設備の役割は、大きく分けて「防災」と「保安」の2つの側面があります。

1.防災のための非常用発電設備

防災のための非常用発電設備は、消防法や建築基準法によってその内容が定められており、一定規模以上の建築物には必ず備えられなければなりません。

こうした非常用発電設備は、さらに「防災用専用機」と「防災用・保安用共用機」に分けることができます。

「防災用専用機」は、停電が起こったときに消防法で定めた消防用設備(消火栓、スプリンクラー、排煙装置など)と、建築基準法で定めた建築設備(非常用照明、非常用エレベーターなど)にのみ電力を供給します。

一方、「防災用・保安用共用機」は、消防用設備や建築設備以外の医療機器、照明、コンピューターなどに電気を供給することができます。

2.保安のための非常用発電設備

緊急時の備えとして、施設側が自主的に設置するものが保安用の非常用発電設備です。法律や法令による規定はなく、停電時に医療機器、照明、コンピューターなどに電気を供給することができます。

非常用発電機の種類

非常用発電機には、大きく分けてディーゼル式とガスタービン式の2種類があります。小~中規模の施設ではディーゼル式の発電機、大規模な施設ではガスタービン式の発電機が採用される傾向があります。

1.ディーゼル式非常用発電機

最も一般的で、広く普及している発電機です。

メリット
  • 20kVA~1,000kVA超まで、幅広い機種がある
  • 本体が比較的安い
  • 燃料単価が安い
  • メンテナンスが容易
  • 発電効率が良い
デメリット
  • 振動や騒音がやや大きい
  • 排煙が多い
  • ラジエーターが必要

2.ガスタービン式非常用発電機

船舶用のディーゼルエンジンをベースに、より環境に優しい天然ガスなどを燃料としています。エコを重視する場合、適したタイプです。

メリット
  • 発電電力が安定している
  • ディーゼルエンジンより小型
  • 冷却水が不要
  • 振動や騒音が小さい
  • 排煙が少ない
デメリット
  • 本体価格が高い
  • 発電効率が悪いため、燃料単価が高い
  • メンテナンス費用が高い

それぞれのメリットとデメリットを比較し、施設に合ったものを導入しましょう。

非常用発電機の特徴

発電にはさまざまな方法がありますが、非常用発電機には、「使う機会は少ないが、使う時には即座に始動すること」が求められる点が特徴です。そのため、非常用発電機は、内燃機関をエネルギーとすることが特徴です。また、上述のように、防災用と保安用に分けられることも特徴の1つです。防災用発電機は、法令で仕様が定められていますが、保安用は特に定められた仕様はなく、用途に応じて機種や容量を決定して構いません。

非常用発電機の消防法による設置基準

非常用発電機は消防法によって設置場所や機器の要件などに基準が設けられています。以下に、項目ごとに分けて説明します。

消防法に基づく設置義務のある施設

不特定多数の人が出入りし、かつ火災などの災害時に避難が困難で、被害が大きくなるリスクが高い建物は「特定防火対象物」とされ、延床面積1000m2以上の場合、消防法で非常用電源の設置が義務付けられています。

<特定防火対象物の例>

病院、老人ホーム、ホテル、旅館、百貨店、商業施設、オフィスビル、空港など

設置場所や機器の要件

火災予防条例(例)(各市町村による火災予防条例のモデルとして、消防庁が示す例)では、発電設備の位置や構造、管理の基準が定められています。

例えば屋内に設ける発電設備の位置の基準では、

  • 点検に便利な場所であること
  • 防振装置を講じること
  • 機器は床、壁、支柱等に固定すること
  • 水が侵入、浸透しない位置であること
  • 不燃材料で造った壁や柱、床、天井で区画され、かつ、窓や出入口に防火戸を設けた室内に設けること

などが要件とされています。

(屋外や、キュービクル式電源の場合は、この要件が除外されることがあります)

また、非常用発電機のうち防災用のものには、有事の際に必ず作動するように、消防法で以下のように条件が定められています。

  • 定格負荷で60分以上連続運転できること
  • 燃料油は2時間以上の容量であること
  • 発電機起動信号を受けてから40秒以内に電圧確立できること

非常用発電の設備には、「自家発電設備認証委員会」による認証試験に合格した場合、適合マークが貼付されます。

消防署への届出や点検・管理の義務

非常用発電設備を設置する際には、「消防法」「電気事業法」「建築基準法」、また各自治体の「火災予防条例」に従い、着工の前後に各種の届出を行うことが義務づけられています。

消防法においては、着工届等を管轄の消防署に提出します。

また、同様に消防法では、定期点検が義務づけられています。6か月に1度の機器点検で設置状況や装置の動作、機器の損傷の有無などを確認します。また、1年に1度の総合点検では、設備の一部または全てを作動させ、負荷試験または内部観察、予防保全策を行い、総合的な機能を確認します。さらに、6年に1度は必ず負荷試験または内部観察を行います。

非常用発電機の取り扱いルール

有事に際して、非常用発電機を間違いなく、安全に使用できるように、操作方法や燃料の取扱いについて日ごろから確認しておきたい点をまとめました。

非常用発電機の操作方法

非常用発電機の普通形では、停電した後に自動的に始動して電圧が確立し、40秒以内に電力が供給できるようになり、定格出力で連続1時間運転します。形式によってはこの流れが多少変わることもありますので、普段から操作方法を確認するなどしておきましょう。

燃料の扱い方

非常用発電機は、普段動かすことがないため、燃料タンクの燃料は放置しておくと何年もそのままでやがて劣化していきます。こうした燃料を使うと、機械の故障につながりかねません。1年に1度の点検で状態を把握しつつ、少なくとも6年に1度は燃料を全量交換するようにしましょう。

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タンク内の燃料を吸引し、フィルターによってろ過してから、再びタンク内に戻すシステムで、ろ過作業中でも発電機を作動できます。万が一作業中に災害による停電が発生しても、すぐに非常用発電機を作動できます。

また、小型トラックに搭載されているため自由に移動でき、狭いところでも対応が可能です。

作業員がタンク内に進入せず、燃料も抜かないため、工期短縮や費用低減につながります。

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定期的な点検や保守管理の必要性

非常用発電設備には、消防法・電気事業法・建築基準法によって定期点検が義務付けられています。加えて日常点検は、日ごろから目配りをすることで事故や故障を未然に防ぐための自主的な取り組みとして、望ましいとされています。

まとめ

同じ非常用発電機でも、役割が分かれていたり、ディーゼル式、ガスタービン式といった種類の違いがあったりします。そして消防法により設置基準や取り扱いルールが定められているので、非常用発電設備の設置に関わる方はよく確認しておきましょう。

「三和エナジー株式会社」では、石油販売やサービスステーションの展開を行う「宇佐美グループ」の一員として、ロカクリーン®や非常用発電機のメンテナンスなど、危険物施設に関する全ての業務のトータルソリューションをご提供しています。ぜひ一度ご相談ください。

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