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環境課題の解決により、グローバルに持続可能な社会の実現に貢献する、戸田建設が取り組む「脱炭素社会の実現」とは?

クライアント
戸田建設株式会社
業種
建設業
給油対象物
発電機
提供商品
B30
提供商品

戸田建設株式会社 イノベーション推進統轄部 環境ソリューション部 矢吹様、宇野様にお話を伺ってみました。

*組織名、所属は取材当時のものです。取材日:2024年5月

バイオ燃料検討のきっかけは?

弊社は千葉県松戸市商工会議所の力もお借りして、松戸市の工作所で未蒸留のバイオ燃料(B100)を自社製造していました。

松戸市から廃食油を集めるのでバイオ燃料を製造しませんか?というお誘いを頂き、バイオ燃料の製造を開始しました。

かなり簡易的なプラントではありましたが、完成したバイオ燃料は弊社施工の現場で使用していました。

松戸市が廃食油を集め、戸田建設が製造し、戸田建設施工の現場でバイオ燃料を使用するというサイクルでした。

ただ人件費や配送費(現場まで持っていく配送網がない為)の部分でコストがかなりかかる事から2020年には製造を終了しました。その頃にはバイオ燃料を製造している会社が多くいらっしゃったので利用させていただくようになりました。

松戸市とは元々お取引などの関係性があったのですか?

取引というわけではなく地方自治体さんの為、地方公共工事などで関わっていました。

B100燃料の使用実績を教えてください。

アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)を施工した際にはクローラークレーンにバイオ燃料(B100燃料)を給油したこともあります。

この時はアドバン社が製造したバイオ燃料をヒラオカ石油に配送していただいていました。

また今ではB100燃料専用の発電機を某リース会社に借りています。最初は発電機2台から始めて今では6台稼働しています。ここ4年くらいのお話です。

その頃から三和エナジーのバイオプラントの話を聞き、蒸留したバイオ燃料を現場で使用していこうと考えました。当時はB100燃料の価格が今より落ち着いていた為、現場は軽油分の金額を、本社はバイオ燃料との差額分を負担するという形で考えていました。しかしB100燃料の価格が高騰したことから、B100燃料よりも安価なB30燃料を使っていこうということになりました。

さらに高純度バイオディーゼル燃料事業者連合会からの推奨もあり、熊本県や大阪府でB30燃料の実績が出始めていたこともきっかけの1つです。

現状B30燃料は発電機に給油しているということですか?

発電機に使用しています。

本当は協力業者の重機などに給油したいのですが、建機メーカーの保証が下りない為、まだ普及できていません。

しかし7月頃から弊社稔台工作所のフォークリフトにB30燃料を給油する予定です。これを積み重ねていき、どこかのタイミングで協力業者に使用していただければと思っています。今年度中に出来たらいいなと思います。

~戸田建設さんの現状と今後の展望~

Scope1が実際に現場で出る二酸化炭素量、scope2が現場で使う電気によって発生する二酸化炭素量です。

2022年の実績では71,330tが作業所で排出されており、うち73%が軽油によるものです。電気が19%を占めていますが、電気は再エネ電気(太陽光など)を購入することで割合が下がります。

しかし2,000万ℓの軽油に関しては、工事も増えてきている為減る方策がありません。これを減らしていかないと、2050年にカーボンニュートラルが達成できないです。将来的にこの軽油を減らす方法としてバイオ燃料や、GTL燃料など、燃料自体を変えていく、もしくは建設機械自体を変える必要があります。

バイオ燃料を使用する上で機械に対するメンテナンスはどのように行っていますか?

B100燃料を使用していると機械に影響が出やすくなってしまいます。その為メンテナンスはしっかりと行ってもらっています。通常の軽油よりかなり気を使っています。

B30燃料を使用した場合のメンテナンスは様子を見ている段階です。7割が軽油の為、B100燃料に比べると機械に対する負担は減るのかなと思っています。

矢吹さんは環境系に携わって長いのですか?

長いですよ~6~7年はいます。楽しいですよ。

今後中長期的(3~5年後)にバイオ燃料をどう広げていきたいですか。

B30燃料に関しては混合率を上げていきたいと考えています。3割削減のところを4割、5割・・・と一緒に上げていきたいです。

また協力業者にも使っていただけるように、より多くの過去使用実績を示していければ良いなと思っています。弊社がリース会社から重機を借りて協力業者に使ってもらうのも1つの手かなと思います。これが直近1、2年の目標です。

協力会社が自発的に使用出来るよう多種多様な手法かつ取り入れ易いもの(GTL・K-S1)により建設機械の軽油使用に伴う排出の削減を目指していければと思います。現在は強制ではないものの、見積要件にも環境低減燃料に関する使用を記載しており、意識が向上していければとも考えております。

当社の評価

当該事業に関わる方が、一緒に現場行っていただき、丁寧な対応に感謝しています。将来的に現場からの問合せに対応いただけると幸いです。

今後は安定した供給を期待しておりますし、廃食油を集める方法も一緒に検討出来ればとも考えております。

筑波技術研究所

また今回戸田建設様の筑波技術研究所を見学させていただきました。(完成は2022年)

この研究所には、ZEB(Net Zero Energy Building)を達成した施設や音響実験棟、材料実験棟などの様々な実験施設が集まっています。またつくば地域の在来植物を用いたビオトープもあり、地域の生物多様性の向上を図っています。

編集後記

今回は、戸田建設株式会社の矢吹さま・宇野さまにお話を伺いました。

当社の主軸商品である「軽油配送」が貴社にとっての、温室効果ガス排出量において、スコープ1・2が多くの割合を占めることに、供給事業者としての責任を強く持つべきと改めて認識致しました。

貴社の「未来ビジョンCX150」実現に向け、環境負荷低減燃料について、共に普及に向けて取り組んでいただければ幸いです。 今後ともよろしくお願いいたします。

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