非常用発電設備の点検費用はどれくらい?点検の内容は?

非常用発電設備の点検費用はどれくらい?点検の内容は?

非常用発電設備は、防災や保安などの重要な役割を担っているため、常に正常な作動ができるように、さまざまな法令によって点検の義務が課せられています。必要な点検を怠り、災害時に消火栓や医療機器などの人命に直結する機器へ電力を供給できないと、大きな二次災害につながりかねません。非常用発電設備を適切に運用するため、導入する際には、点検の内容や費用について、しっかり把握しておきましょう。

非常用発電機の点検にかかる費用

非常用発電機の点検の中でも、消防法に基づく年1回の総合点検は特に重要なものであるといえます。総合点検で行われるのは、非常時に発電機が確実に作動することを確認するための負荷試験です。この負荷試験は、専門業者への依頼が一般的で、その費用は発電機の大きさ等で変わりますが15万円から50万円程度が相場です。20kWA以下では15万円~20万円、230kWA以上になると30万円~50万円というのは1つの目安となるでしょう。

また、負荷の度合いよっても費用は変わり、30%(以上)の試験であれば費用は安く済みますが、100%の負荷試験になると高くなります。

負荷試験が義務化されたことで、負荷試験にかかる費用は低下傾向にあり、また、業者によっては分割払いなども対応しているため、負荷試験は受けやすい環境が整ってきました。

点検に必要な費用を正確に算出するには、業者に相談し、必要であれば実際に現場を調査してもらうと安心です。

非常用発電機の点検内容

非常用発電機を導入すると、消防法、電気事業法、建築基準法の3つの法令に基づいた定期点検が義務付けられます。法令ごとに内容や報告義務が異なりますので、それぞれについてきちんと準備する必要があります。

消防法に基づく点検

機器点検と総合点検の2種類があります。

機器点検は6か月に1回の頻度で行い、機械の設置状況や装置の動作確認、機器の損傷や異音の有無、排気の状況などを確認します。

一方、総合点検は1年に1回の頻度で、設備の一部または全てを作動させ、30%以上の実負荷試験を行い、総合的な機能を確認します。

また、6年に1回は必ず負荷試験または内部観察を行います。

消防法で定められた定期点検は消防設備点検資格者と、第一種自家用発電設備専門技術者の両方の資格を所有している技術者が点検・記入して、設備の責任者が所轄の消防署長に提出しなければなりません。

電気事業法に基づく点検

電気事業法では、常用・非常用に関わらず、全ての発電機に点検が義務化されています。非常用発電機を設置した場合は保安規定を届け出て、その保安規定の基準や期間に従い点検を実行することになっており、月次点検と年次点検の2種類があります。

月次点検では、1か月に1回、発電機及び励磁装置の外観に異常があるかどうかを確認します。また、年次点検では、1年に1回、起動や停止の装置に異常はないか、部品の接続や接地面などに緩みが発生していないかなどの点検を行います。

これらの点検実施者は電気主任技術者、または電気管理技術者が行うことと定められています。なお、電気事業法の対象となる発電機は、すべてのガスタービンエンジンと、出力10キロワット以上のディーゼルエンジンです。

建築基準法に基づく点検

建築基準法では、建築物の所有者や管理者、占有者は、その建築物の敷地・構造・建築設備を常に適切な状態に保つことを義務付けています。

それに伴い電源設備も検査が必要で、およそ半年~1年の間に1回点検します。非常用発電機の場合は非常用照明が正しく点灯するかどうか、発電機とその付帯設備、発電機の起動用蓄電池の状況確認と運転状況発電機の蓄電池、触媒栓の有効期限と液漏れなどの確認を行い、特定行政庁への報告書の記載が必要です。この点検は、建築士、建築設備検査員、昇降機検査員、防火設備検査員などの資格保有者が行うこととなっています。

非常用発電機の点検の重要性

非常用発電機の点検は、事故や機器の不作動などを防ぐために大変重要です。以下にその具体的な要因となりうる例を挙げて説明します。

燃料タンクにスラッジや水分が沈殿する

非常用発電機は常時使用するものではないため、燃料を入れ替えずに放置すると、空気との接触による酸化や、温度変化による劣化が進行します。

燃料が劣化する原因は燃料の種類にもよりますが、例えば重油の場合は、スラッジ(汚泥)の発生です。スラッジを放置すると、タンク内の水分や錆びと結びついた堆積物(セジメント)となり、燃料フィルターの目詰まり、タンク内部や配管の腐食などを引き起こす原因ともなります。

また、結露などによって発生した水分は、油より重いため、タンクの底部に沈殿し、やはりタンクの腐食や劣化につながる恐れがあります。

こうしたタンクの腐食や劣化は、非常用発電機の正常な動作を妨げるだけではなく、周囲の環境にも土壌や水質の汚染などの深刻な影響を与えます。

そのため、燃料などの貯蔵タンクは消防法により、原則として1年以内に1回の定期点検の実施が定められており、貯蔵タンクの種類に応じて定められた点検項目に従い点検をしなければなりません。

三和エナジーでは、燃料タンクのメンテナンス機器「ロカクリーン®」をご提供しております。ロカクリーン®は、燃料タンク内の重油を吸引し、フィルターによって重油をろ過してから、再びタンク内に戻すシステムです。

小型トラックに搭載されているため自由に移動でき、狭いところでも対応が可能です。作業員がタンク内に進入せず、燃料も抜かないため、工期短縮や費用低減につながります。

ろ過作業中でも発電機を作動できるため、万が一作業中に災害による停電が発生しても、すぐに非常用発電機を作動できます。

※「ロカクリーン®」は、三和エナジー株式会社が特許を取得しています(特許庁 特許証 第6941249号)

ロカクリーン®」についての詳しい情報はこちら

非常用電源が作動しないおそれ

非常用発電機の点検を怠っていると、地震や火事などのいざという災害時に正常に作動しないおそれがあります。

非常用発電機は、主に防災(消火栓、スプリンクラー、非常用照明、エレベーターなど)や保安(医療機器や照明、コンピューターなど)の目的に利用され、いずれも人命救助や財産の保護に直結する大変重要な役割を担っているため、常に正常に作動するように点検を欠かさないという心構えが必要です。

まとめ

非常用発電機は、いざというときに正常に動作してこそ価値があります。まずは法令に沿った定期点検を行い、その上で、小さな不具合や異常があればなるべく早く発見するよう、平時からよく目配りしておくことが重要です。非常用発電設備の点検費用は年々低下する傾向にあり、導入しやすくなっています。

「三和エナジー株式会社」では、石油販売やサービスステーションの展開を行う「宇佐美グループ」の一員として、非常用発電機メンテナンスや、燃料メンテナンス(ロカクリーン®)など、危険物施設に関する全ての業務のトータルソリューションをご提供しています。

燃料劣化や燃料タンクのメンテナンスについてお悩みでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。

お問い合わせフォーム

contactお問い合わせ

ビジネスを展開する地域の担当営業が
対応いたします。
お気軽にお問い合わせください。

0120-333-391

受付時間8:00~17:00(日・祝日を除く)